子供手当てと税制改正②

民主党体制になり「控除から手当てへ」という方針のもと税制改正が行われたわけですが
なんで「扶養控除等」ではなく「子供手当て」なのでしょうか

税金は「収入」にいきなり税率をかけるわけではありません
収入を得るためにかかった経費をマイナスして「所得」をまず確定します

そこからさらに人が生活していけるだけの最低限度の金額には税金を課さないという意味合いで
扶養控除や配偶者控除、基礎控除などを差し引いてはじめて税率をかけます

扶養控除等にどんな問題があるのかというと、

①そもそも収入から経費をマイナスして赤字だった人には何の手当てもされない
・・・扶養控除等は憲法が定める「最低限度の生活」には税金を課さないために設けられているのですが
税を課さないという目的は達せられるものの、平等性という観点からはいかがなものでしょうか

②高額所得者に有利になる
・・・所得税は所得が高くなるのに比例して税率も高くなる仕組みになっています
つまりお金持ちは税率が高いので、同じ扶養控除38万円のマイナスでも
所得が1800万円超の最高税率40%の方は38万円×40%=約15万円の税金マイナス効果があり
所得が195万円以下の最低税率5%の方は38万円×5%=約2万円のマイナスと
その差はなんと約13万円にもなります
これではお金持ち優遇なのではないかと

このような点を補完すべく「控除から手当てへ」というわけなのですが、
実際の運用にあたっては様々な議論が出ており既存の制度を変えることはつくづく大変なのだなあと
政権交代によって痛切に感じます